民学同文書 No.13

 同盟破壊分子の脱落とその教訓
           
「民主主義の旗」第46・47合併号 1968年4月10日

 歴史的任務を負ったわが同盟第九回全国大会を前にして行われた一部全国委員、全国代表委員の同盟破壊策動は全同盟員の努力によって既に克服されつつあり、その範囲を一部の脱落分子の同盟からの逃走に留めることが出来た。
 われわれはあくまでも光輝ある民学同の伝統を守り抜き、学生戦線の統一の体現者としての自己の任務を貫徹するために、ここに一部の諸君の同盟破壊策動の事実とその克服過程、そしてその教訓を責任をもって明らかにし、全国の学友諸君の信頼に答えたいと考える。

一、分裂の契機と経過
 わが同盟の隊列から脱落した一部の諸君は、昨年のいわゆる第一次、第二次羽田闘争から、とりわけ佐世保闘争を闘う中で急速に極左的偏向を深め、思想的にも実践的にもトロツキストと完全に自己を区別しえなくなったといっても過言ではない。そして彼らは、同盟第九回全国大会で自派のセクト的支配を確立しょうと試みた。そのため大会準備の始めから、政策力針上の論議を行うのではなく、乱暴に規約を踏みにじり、徹底した分裂活動をもって実際の小数派が大会代議員の多数派を占めるような非民主的大会開催要綱の決定に全力を傾けた。これが今回の同盟分裂をもたらした直接の契機である。

<全国委員会の討議の放棄>
 二月十二日第一回全国委員会を皮切りに都合七度にわたって行なわれた全国委員会において、今回脱落していった一部の全国委員は少数派が大会代議員の多数を占める非民主的大会開催要綱を提案し、全国委員長以上四名の全国委員の再三の説得にもかかわらず討議に応じず、開催要綱に関する全同盟討議の指導を一貫して拒否してきた。四年生(卒業予定者)を同盟員基礎数から除外し、自派が多数を占めろ支部における代議員の選出は多数派の完全独占の方法を主張し、自派に不利な支部では少数派の代議員権を要求するという自己のセクト的利害のみを追求した大会開催要綱が各大学支部の良識ある同盟員に支持されるはずがなかった。

<全同盟討議の実質化
  −阪学大支部等における成果>
 四全国委員の全同盟討議の拒否と妨害にもかかわらず、各大学の自覚的同志によって実質化された開催要綱をめぐる論議は、四全国委員の提案に対する極めて大きな疑義の提出と、あくまでも全国委員会での一致の努力の要請とを、主要な柱として展開された。特に二月二四日、五日阪学大支部における討議では、今回脱落していった一全国委員も自らの主張の非民主性を認めざるを得ず、全体として大きく一致できる可能性が開かれたかに見えた。
 しかし二月二十六日の全国委員会では、阪学大支部討議における確認が全く無視され、東京、大阪、京都など全国各大学支部の要請はふみにじられ一致の努力の一かけらも見ることは出来なかった。

<説得を暴力的に拒否
  〜分裂「代表委員会」を強行>
 全同盟員の期待を裏切った四全国委員は、彼らが二月十六日より秘密裡に署名を集め準備した分裂「代表委員会」を強行するという暴挙に出た。
 二月二七日当日、全国委員長以下同盟の統一を願う諸同志が、あくまでも分裂「代表委員会」強行を止め統一した開催要綱作成に努力せよと説得するために、彼らの会場に入った時、あろうことか全国委員長の発言を実力で阻止するという許すべからざる行為に出たのである。
 彼らの破廉恥な行為は更に続き、三月四日、十八日十九日、二十日と五度にわたって分裂「代表委員会」を強行するに至る。一方三月二日京大の新加盟の同志に対する権利はく奪の脅迫、三日同じく京都府委員会の名による暴力査問などの一連の暴力行為は事態をますます悪化させた。

<全同盟員総会の成功
 −民主的開催要綱決定>

 自己の論理の破算が明らかになるや、唯一のよりどころを「委員長自己批判」に求め、事態を一層混乱させようとする動きに対し、委員長以下四名の全国委員は、もはや事態の解決は全同盟員総会によるしかないことを三月八日全国委員会で提案した。これに対する解答は「分裂『全同盟員総会』は認められない」であった。既に分派機関に転落していた「代表委員会」のこれ以上の強行をやめさせ統一を守りぬくために、全国委員長は、自らの責任で「同盟の分裂の危機に際して全同盟員諸君に訴える−全同盟員総会に結集し光輝
ある民学同の統一を守り抜こう」と全同盟員総会招請状を発送した。
 全同盟員総会は同盟員総数の過半数を圧倒的に越える全国の同志の結集によって成功し、民主的大会開催要綱を満場一致(反対、保留、棄権なし)で決定した。
 しかし、この全同盟員総会に対しても、一部の全国委員、全国代表要員によって組織的暴力的妨害活動が連日加えられ、負傷者を出すに至った。−これは参加した全同盟員の前に彼らの意図が何かを白日の下に明らかにした。

 二、基本的原因
 内外の階級矛盾が激化するに件って進行する急速な変化に対して、その発展の基本的方向を把握するのではなく、味方の弱さのみを一面的に強調するペシミスティックな見地ーたとえば今日、国際的な平和と民主主義勢力の統一がまだ十分ではなく、米帝のベトナム侵略を完全に失敗させるに至っていないこと、国内的にも、反独占の統一戦争が十分には発展しておらず、反動佐藤を倒すことがまだできていないことなどを一面的に強調し、基本的な発展の方向、米帝の破綻と資本主義の全般的危機のいっそうの深化、社会主義世界
体制の強化と国際プロレタリアートの前進、反独占民主主義と統一戦線の前進であることを見失った見地−は自己の未来を必然性のもとに理解することを妨げ、非合理的反抗主義、一揆主義に陥らざるをえない。わが同盟の隊列を去った一部の人々の誤まりも、今日の情勢に対するペシミスティックな理解に基づいている。
 そこから彼らの同盟趣意に対する重大な否定が生ずる。すなわち、平和共存に対する懐疑的な態度、反独占民主主義運動と統一戦線に対する否定的な態度がそれである。そして前者をゲバラ主義に後者を民主勢力に対する不信、三派全学連反戦青年委のみとの連滞と現地闘争による一点突破路線に置きかえようとしている。
 このような同盟趣意、規約の精神に反した偏向が同盟分裂のより基本的原因であるといえよう。これは今日の情勢の複離さ、とりわけ日本の民主主義運動の混乱に大きく規定きれていたとはいえ、学生層の持つ、いわゆる「小ブル性」−それは学生同盟において最もよく現れる一に基づくものであった。
 


 三、沿革
 一九六三年九月、同盟は大阪の地に誕生した。それは民青内にあって、安保闘争とその後の闘いの中でトロツキズムとの徹底した闘争を発展させ、大衆運動の統一を守り続けた人々によって結成された。これは一面では民青のセクト主義、民族主義との闘いを通じてかつ基本的には民青を正す立場からなされたものであった。それゆえ、同盟の趣意には国際的、国内的な青年学生運動の豊かな教訓と実践の試練に耐えた科学的方針が書きしるされていた。一九六五年三月、京都等の同志を同盟に迎え入れ全国同盟として再出発した。それを契機に同盟内に異質の思想−これが分裂していった人々の思想的源流となったーが持ちこまれた。
 この三年間の同盟内思想闘争−日韓闘争の位置づけと方針、ベトナム反戦闘争の方針、核防に対する方針をめぐる思想闘争−は大きくいってこの二潮流の闘いであった。わが同盟の基本思想は大阪をはじめ東京の各支部、京大、市大の一、二回生によって深く理解され、今第九同大会を成功させている巨大な原動力となっている。
 今一つの思想は主として市大、京大の三、四回生に影響を与え、立命においてその典型的表現を生み出すに至った。そして、この部分が暴力団まがいの行為で同盟を分裂きせたのである。ただわれわれは、同盟結成後間もなく同盟に参加し、原則的な大衆運動を展開してきた岡大支部がこの分裂の隊列にまきこまれたことをきわめて残念に思っている。さて、これら分裂して行った人々の思想の集中的表現である組織間題に対する見解についてここに一言しておく必要があると思う。
 京都の諸君が、四大会でわが隊列に加った時、同盟を民主主義的組織とするのが共産主義的組織とするのかをめぐって一連の論争があった。われわれは反ファシズム闘争の国際的教訓やまた安保闘争とその中で発生・分裂したトロツキスト諸組織の教訓、戦後の国際的に有利な情勢と新しい可能性を踏まえ大衆的で民主的な政治同盟こそ歴史の要求する組織であることを主張し、いわゆる「学生小型共産党」組織に反対した。
その時は京都の諸君の組織原則はやはり「小型共産党」組織である。われわれは全力を傾注して、この「左翼主義」の克服に努めたが前述した学生の「小ブル性」を自己の力だけで克服しえなかった。このことはやはり学生同盟の持つ弱さの現われではないだろうか。

四、学生同盟の矛盾と障害
 四年を過ぎるとほぼそのメンバーが一新される。学生同盟ではその指導者を恒常的に確保することが最も重要だがまた最もむずかしい問題である。指導者の恒常的確保と同盟の遺産の継承の困難性が常に指摘される。また学生はその特殊な生活基盤、政治経験の不足によって、どうしても思想的に「左」右の偏向に陥りやすい。とりわけ今日の日本のように労働者階級の指導性が混乱しており、民主運動が分裂していく中にあっては学生層のこの弱い側面が助長されざるをえない

五、解決の基本的方向
 この矛盾の解決を行ない同盟の飛躍的発展を勝ちとるためには、特別に新しい大胆な対策が必要とされている。今や労働者階級と正しく結合し、青年労働者との連帯を強化する方向で真剣に、その具体的方法、形態等を検討しなければならないのではないだろうか。

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